カエルの楽園

百田尚樹氏の新作「カエルの楽園2020」が上梓されましたね。賛否両論うずまいた前作はもちろん読了しております。

前作については、まあ色々言われていますが、とにかくこの小説、わたしにとって「カエルがうんたら〜」「それは〜なカエル」といったカエルの擬人化具合がたまらなくキュンキュンしますね。自分でも常にカエルを擬人化して見ていることとリンクするのかもしれません。また作家ご本人が描かれているイラストがかわいい。

で、最終的に賛か否か?と問われれば、わたしは賛の方です。やっぱりウシガエルは日本で見る分にはいやですから。(あくまで比喩なのは承知済)

リアルな話になりますが、いろいろ撮り歩いていると、ウシガエルの被害を受けた地域をいくつか見てきました。在来種のモリアオたちがやられるのを見るのは本当に辛いものです。

近所の里山でもウシガエルはいます。そのため、そこではウシガエルを捕まえた人は所定のバケツに入れておくと、管理人の方が天国に送っているようです。

わたしも去年、ウシガエルの幼体を見つけました。捕まえそこねましたが…。やはりどこかで気合が足りてなかったんでしょうね。生かしていては良くないのは分かっていたものの。ジレンマです。
外来種というのはその生物自身に責任がないと思うので、そこが難しいと感じる部分です。

小説の話に戻ります。

驚きました、なにせ公開して2日で削除とは。いかがなものでしょうね。わたしはショートケーキのイチゴを最後に取っておく派で(お菓子などに至っては大事に置いておきすぎて、賞味期限が切れたことに気づき食べることも)、楽しみは一気に終えたくないタイプなんです。そんなわけで、今月末まで公開と書いてあったため、ゆっくり読んでいたので焦りました。

だれもがすぐ情報を得られる世の中とはいえ、人により時間差はあります。2日アップロードしただけで読者数が少ないから見限る、というのはいくらなんでも早いのではないでしょうか。わたしの場合はたまたまカエルに関する検索ワードで見つけられたものの、見つけられなかった可能性もあったわけです。

とりあえず土日限定公開という形で、本日は再掲載されてよかったですけど…。土日公開、というのはなんだかレストランの客寄せメニューみたいで、安っぽく感じてしまいました。読み終わったらまた感想を書きます。

カエルの楽園2020
https://ncode.syosetu.com/n4198gf/1/

キジについて

ときどきお邪魔する里山へ行ってきました。ここは地元に住む方々がきちんと手を入れて管理している場所です。わたしもタイミングが合うと微力ながら、草刈りや田んぼにまつわる作業をお手伝いします。

この里山は田んぼの他に、湿地帯や小さな池もあって、アマガエルに始まりアカガエルやシュレーゲルアオガエル、ダルマガエルなど多くのカエルたちが元気に暮らすことのできる素敵な場所です。そのため、野鳥や昆虫もたくさんいます。

しかし近くではあるものの、少々行きづらい場所にあり、しょっちゅうは出向けないのが難点。前回はアカガエルの卵塊を確認しに行ったきり、来られていませんでした。

さて今回は、入り口のあたりで、すぐキジに出会うことができました。
(生きものは多くいますが、出会えるのは少しだけなので入って速攻会えるのは貴重です)

「キジも鳴かずば撃たれまい」という有名なフレーズがありますが、実にそのとおりで、むこうから「キイーッ」という甲高い声で居場所を教えてくれたのでした。春から初夏は繁殖期で、そのために鳴いているわけですが、見つけたのは残念ながら、人間のメスだったというわけです。

そんなわけで、彼は一羽でぶらぶらしていましたが、前回ここでキジに遭遇した時は、カップルでした。

その日は平日で、そしてわたしは無職だったため昼間からそこを散歩していました。当然、他に歩いている人はそうそういません。そしてキジたちも油断していたのでしょう。

ふつうに人の通る道だったのですが、わたしが不意に現れたことで、カップルは道をはさんで反対側の草むらへ急いで隠れ、別れ別れになってしまったのでした。しかしその時、わたしはそれに気づきませんでした。目に入ったのは、地味なベージュ色をしたメスだけでした。

メスは反対側のオスが気になるようで、なかなか遠くへ行きません。そのためなぜ逃げないのかと、わたしは不思議がりながらも、そのすきに何枚か写真を撮りました。

そしてその際、道のわきの赤いなにかは目に入っていましたが、よくある何メートルなど書いてある道標だろうと思い、気にもとめなかったのです。

そうこうしているうちに、おじさんが通りかかりました。おじさんはキジのことなど気にもせず、サッサと道を通りました。そしてそのとき、道標が動いてそれがオスのキジの頭だということに気がついたのでした。

それは急なことで、カメラをとっさに構え直したものの、ストラップがレンズの前に垂れ下がり、ちょうどいい瞬間を撮り逃しました。まさか道標がキジだったとは…。残念でした。この経験は今後に活かすしかありません。

わたしが悔しい思いをかみしめている間に、キジのカップルはむこうへ行ってしまったのでした。