誰ひとりとして、同じ性格の人は存在しないように、カエルにもまた性格があるようです。
大きく分けると、まず種類ごとにおおまかな性格があります。
あなたの家の近くでもきっとよくいる「ニホンアマガエル」と「ヌマガエル」の場合、アクティブなタイプはヌマの方で、例えるならトレンディなスポットに出かけることが多く、ほとんど家にいないタイプといえるでしょう。
対して、アマガエルは週末たまに出かけることがあっても、家で本を読んだり、ゲームをする方が好きなタイプといえます。
なぜそう思うかというと、実際に田んぼの道など歩いていて、ぴょんぴょんと道に出てくるのはヌマガエルです。
ヌマの赤ちゃんガエルは、小さいにも関わらず積極的に外の世界に出てきます。
恐れをしらないといった風に。
しかし、アマガエルはたいていが、緑の葉っぱの上でネコのように香箱座りをして、じっとしています。
たまに同じ葉っぱの上に3匹くらい集まっていることも。
そんなときは、何やら相談しているようにも見えます。
個々のカエルの性格の違いで言えば、窓にやってくるアマガエルだけを見ていても如実に知ることができます。
たとえば毎晩のように窓にやってくる外交的なオスガエル。彼の特徴は濃い鳴嚢の色と、おなかの下のほうがすこし黄色みを帯びており、背中から口にかけてまだら模様があるところです。
このカエルは、まったく物怖じしません。
普通はわたしが顔を出すと、どこか違う方向に向いたり、隠れたりするカエルが多いです。
でもこのカエルときたら、いつも窓のセンターに来て、わたしの顔が近づいても気にしません。最初の頃は、その丸くて大きな瞳でじいっとわたしの顔を見つめていました。
逆に恥ずかしがりやの内向的なメスガエルは、先日まで来ていました。彼女はきれいな緑色の肌と、白いおなかをしていました。
それだけで言えば、特に特徴はなかったと言えます。でも隠れ方ですぐにわかりました。
彼女はわたしが窓をのぞいた一秒後くらいに、さっと身をひるがえし、葉っぱの向こうへ消えてしまうのです。いつもそうです。
先日書きましたが、隣の田んぼが休耕田になったことで、カエルたちは毎晩鳴くことは無くなりました。おもに雨の日だけ。
しかし、うちのお風呂場の近くを縄張りとしているアマガエル、彼だけは晴れていても鳴きます。人間でいえば20代前半のノリにノッている時期なんじゃないかと想像したりします。
でもかわいそうに、彼が鳴いても誰もいっしょに鳴いてはくれません。カエルたちはいつも誰かが鳴き始めると鳴く習性があるのですが、彼には誰も追従しないのです。
もしかしたら、「またアイツ鳴いてるよ、晴れてるのに」くらいに思われているのかもしれません。
まあそういった具合に、カエルたちはそれぞれ個性を持っています。
見ていて飽きることはありません。