赤ちゃんガエルが来た

先日、もう隣の休耕田から新しいカエルは産まれない、と嘆きのブログを投稿しました。
そんな矢先、朝、いつものように窓をのぞくと、いたのです!
アマガエルの赤ちゃんガエルが。ほら見てと言わんばかりに。

窓にはグリーンカーテンがあります。ゴーヤで出来たものです。
そのつるを登ってきたのでしょう。小指の爪ほどにしかない小さな体で。
ここまで登ってきたことも驚くべきことですし、さらにこのカエルちゃんが産まれたという奇跡。
相当な運の持ち主と見てよいでしょう。
なにしろ休耕田の水たまりはすぐに干からびてしまうのです。
どこかにオタマジャクシからカエルの姿になるまでの一ヶ月を過ごせる水たまりがあった、ということでしょう。
どうか他にもたくさんの赤ちゃんガエルが育っていることを、切に願うばかりです。

このかわいいおチビちゃんは、夕方くらいまで窓の外のゴーヤの葉っぱに乗って、ときどき姿勢を変えながらのんびりと過ごしていました。時には、やってくるアリをパクつきながら。

夜になると、どこかに行ってしまいました。

カエルのパーソナリティ

誰ひとりとして、同じ性格の人は存在しないように、カエルにもまた性格があるようです。

大きく分けると、まず種類ごとにおおまかな性格があります。
あなたの家の近くでもきっとよくいる「ニホンアマガエル」と「ヌマガエル」の場合、アクティブなタイプはヌマの方で、例えるならトレンディなスポットに出かけることが多く、ほとんど家にいないタイプといえるでしょう。
対して、アマガエルは週末たまに出かけることがあっても、家で本を読んだり、ゲームをする方が好きなタイプといえます。

なぜそう思うかというと、実際に田んぼの道など歩いていて、ぴょんぴょんと道に出てくるのはヌマガエルです。
ヌマの赤ちゃんガエルは、小さいにも関わらず積極的に外の世界に出てきます。
恐れをしらないといった風に。

しかし、アマガエルはたいていが、緑の葉っぱの上でネコのように香箱座りをして、じっとしています。
たまに同じ葉っぱの上に3匹くらい集まっていることも。
そんなときは、何やら相談しているようにも見えます。

個々のカエルの性格の違いで言えば、窓にやってくるアマガエルだけを見ていても如実に知ることができます。
たとえば毎晩のように窓にやってくる外交的なオスガエル。彼の特徴は濃い鳴嚢の色と、おなかの下のほうがすこし黄色みを帯びており、背中から口にかけてまだら模様があるところです。
このカエルは、まったく物怖じしません。
普通はわたしが顔を出すと、どこか違う方向に向いたり、隠れたりするカエルが多いです。
でもこのカエルときたら、いつも窓のセンターに来て、わたしの顔が近づいても気にしません。最初の頃は、その丸くて大きな瞳でじいっとわたしの顔を見つめていました。

逆に恥ずかしがりやの内向的なメスガエルは、先日まで来ていました。彼女はきれいな緑色の肌と、白いおなかをしていました。
それだけで言えば、特に特徴はなかったと言えます。でも隠れ方ですぐにわかりました。
彼女はわたしが窓をのぞいた一秒後くらいに、さっと身をひるがえし、葉っぱの向こうへ消えてしまうのです。いつもそうです。

先日書きましたが、隣の田んぼが休耕田になったことで、カエルたちは毎晩鳴くことは無くなりました。おもに雨の日だけ。
しかし、うちのお風呂場の近くを縄張りとしているアマガエル、彼だけは晴れていても鳴きます。人間でいえば20代前半のノリにノッている時期なんじゃないかと想像したりします。
でもかわいそうに、彼が鳴いても誰もいっしょに鳴いてはくれません。カエルたちはいつも誰かが鳴き始めると鳴く習性があるのですが、彼には誰も追従しないのです。
もしかしたら、「またアイツ鳴いてるよ、晴れてるのに」くらいに思われているのかもしれません。

まあそういった具合に、カエルたちはそれぞれ個性を持っています。
見ていて飽きることはありません。

カエルの楽園

百田尚樹氏の新作「カエルの楽園2020」が上梓されましたね。賛否両論うずまいた前作はもちろん読了しております。

前作については、まあ色々言われていますが、とにかくこの小説、わたしにとって「カエルがうんたら〜」「それは〜なカエル」といったカエルの擬人化具合がたまらなくキュンキュンしますね。自分でも常にカエルを擬人化して見ていることとリンクするのかもしれません。また作家ご本人が描かれているイラストがかわいい。

で、最終的に賛か否か?と問われれば、わたしは賛の方です。やっぱりウシガエルは日本で見る分にはいやですから。(あくまで比喩なのは承知済)

リアルな話になりますが、いろいろ撮り歩いていると、ウシガエルの被害を受けた地域をいくつか見てきました。在来種のモリアオたちがやられるのを見るのは本当に辛いものです。

近所の里山でもウシガエルはいます。そのため、そこではウシガエルを捕まえた人は所定のバケツに入れておくと、管理人の方が天国に送っているようです。

わたしも去年、ウシガエルの幼体を見つけました。捕まえそこねましたが…。やはりどこかで気合が足りてなかったんでしょうね。生かしていては良くないのは分かっていたものの。ジレンマです。
外来種というのはその生物自身に責任がないと思うので、そこが難しいと感じる部分です。

小説の話に戻ります。

驚きました、なにせ公開して2日で削除とは。いかがなものでしょうね。わたしはショートケーキのイチゴを最後に取っておく派で(お菓子などに至っては大事に置いておきすぎて、賞味期限が切れたことに気づき食べることも)、楽しみは一気に終えたくないタイプなんです。そんなわけで、今月末まで公開と書いてあったため、ゆっくり読んでいたので焦りました。

だれもがすぐ情報を得られる世の中とはいえ、人により時間差はあります。2日アップロードしただけで読者数が少ないから見限る、というのはいくらなんでも早いのではないでしょうか。わたしの場合はたまたまカエルに関する検索ワードで見つけられたものの、見つけられなかった可能性もあったわけです。

とりあえず土日限定公開という形で、本日は再掲載されてよかったですけど…。土日公開、というのはなんだかレストランの客寄せメニューみたいで、安っぽく感じてしまいました。読み終わったらまた感想を書きます。

カエルの楽園2020
https://ncode.syosetu.com/n4198gf/1/